zzai2010-03-22

写真は地獄の門&オレ。
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読書をまったりしつつ都内へ。長谷川等伯展はへんに期間も短くてTVでの紹介なんかもあった関係で結構な混み様なんだけれど、やはり見る価値はあるというか、見れてよかった。でもじっくり鑑賞する環境にはなくて、距離をとって見るとか側面から見るとかそういう見る側からの不自由はかなり高くて、やはり不満も残る。。長谷川等伯はいろいろな見方はあると思うのだけれど、初期から一貫して構図への徹底的な拘りを感じるし、それがデザイン性みたいな方向へ昇華して、さらに水墨的なミニマム世界へ進んでいったといったところでしょうか?屏風絵なんてやはり多方面からの視点を明らかに想定してるし、こういうデザインの感覚が全く色褪せないのは凄い。しかし水墨画というのはやはり凄まじいまでの精神性というのはあるんだよね。必要なものは全てあり、不要なものはなにもない・・・。恐るべし。。。日本の漫画がこれだけ一般性を獲得して多様性を生み出せるというのはやはりこういった下地の存在を無視出来無いというか・・・いやでもホント日本の水墨画というのは元来が中国からのものだとしても世界に誇るべき芸術だと思うわ。
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帰りにDP2で上野公園をぶらぶらスナップ。例によって東京は人ばっかり。でもこの辺りって来てはいるけれどずいぶん久しぶりでもあってなかなか楽しいものがあります。国立近代美術館はコルビジェもともかく「地獄の門」がやはり素晴らしくて、前を動けない人も多くいる。もっともオレもそんなだったけれど・・・

我を過ぐれば憂ひの都あり、
我を過ぐれば永遠の苦患あり、
我を過ぐれば滅亡の民あり
義は尊きわが造り主を動かし、
聖なる威力、比類なき智慧
第一の愛我を造れり
永遠の物のほか物として我よりさきに
造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、
汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ
(山川丙三郎訳)

この国は地獄の門の前に立っているのかもしれないですね。。いや世界がそうなのか?
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というわけで買ってみた。本来平易な言葉でグラフックも多いモノらしいからこれでOKなのである。。。とか言ったりして

ドレの神曲

ドレの神曲

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ついでに

壁男 (双葉文庫 も 9-4 名作シリーズ)

壁男 (双葉文庫 も 9-4 名作シリーズ)

諸星大二郎は一貫して好きなんだけれど、これに掲載されている「遠い国から」っていうのも飛躍してゆく空想力が素晴らしい。